流すな汚染水!とめよう原発 !3 .30 集会 小出裕章さん講演ビデオ

会場からの質問に答える (質疑応答)

政府は「日本の電力は原発なくして成り立たない」というが・・

核融合は安全なのか?
通常運転の原発トリチウム水との違いは何か?
放射能汚染水は「処理水」なのか?
フランスも英国もやめた「再処理」をなぜ続けるのか?
MOX(モックス燃料)について
非常事態宣言はいつ解除されるのか?

レジメ 3.30小出講演

福島原発の放射能汚染水問題は日本の原子力開発の根本に関わっている
2024年3月30日 小出裕章さん講演会

1)核兵器開発と原子力発電所
※原発は膨大な放射能を生み、それを抱えながら運転する機械である
–広島原爆で燃えたウランの重量=(生成した核分裂生成物の重量)800g
100万kWの原子力発電所1基が1年運転するごとに燃やすウランの重量=(生成する核分裂生成物の重量) 1トン

2)フクシマ事故が生んだ悲惨で多様な被害
・立ち入りが禁止された地域で救助を待ちながら死んだ人たち
・本来なら放射線管理区域にしなければならない土地に棄てられ、被曝しながら生活を続ける100万人を超える人たち
・生活や家庭の崩壊を覚悟して自力で避難し、貧困や離婚の危機の中で、ひたすら子どもの被曝を防ぐために避難を続けている人たち
・強欲な人間の犠牲となり、棄てられ、餓死した、あるいは殺された家畜、ペットたち

3)国は常に嘘をつく
–もともと原発は膨大な危険を抱えている。原子力推進派は多重な安全装置を付けるので、原発に限って絶対に大事故は起こらないと嘘をついた。でも、彼らも万一の事故が怖かったの で、原発を都会に作らず過疎地に押し付けた。
–そして、フクシマ事故は事実として起きた。嘘をついた彼らは謝罪もしないまま「想定外」といって責任を逃れた。それまでの安全基準が事実によって否定されたため、彼らは今度は「新規制基準」を作り、原発が安全になったかのように嘘をついている。ただし、「新規制基準」は「安全基準」ではなく、基準に合格しても「安全」だとは言わないと規制委員会が言っている。
※2017年、当時の今村雅弘復興大臣は、「まだ東北、あっちの方でよかった。首都圏あたりだと莫大、甚大だったと思う」と発言した。

4)能登半島地震と志賀原発、柏崎刈羽原発
–能登半島地震は、複数の断層が連動して起きた。そんなことは予想されていなかた。
–志賀原発も柏崎刈羽原発も10年以上止まっていた。 運転中の原発が地震に襲われれば、福島原発事故になる。
–今回の教訓は、原発が動いていなくてよかったということ。
※世界最大の地震大国、日本。こんな国に原発など作ってはいけなかった。

 5)福島原発の放射能汚染水
–放射能汚染水→ALPS処理
13年経った今も「ALPS処理水}約3割、「処理途上水」約7割
–トリチウム(T)は水素の同位体。ALPS処理を含めどんな水処理技術を使っても取り除けない。福島第一原発の敷地のタンクにある130万トンの水にはトリチウムが排出基準濃度の10倍含まれている。
※当然、それは「放射能汚染水」であり、「処理水」と呼ぶことなど論外。しかし日本ではマスコミが率先して「処理水」と呼び、「汚染水」と呼ぶとバッシングを受ける。
※被曝は必ず害を伴い、安全な被曝などない。放射能を消す力は人間にも、自然にもない。放射能を含んだ水を海に流してはいけない。福島原発の汚染水を海に流さない現実的で、容易に実行できる方策はたくさんある。
噓とインチキを積み重ねて、国と東電は汚染水を海に流している。

 6)でたらめを続ける真の理由は?
–核兵器製造で必要な「燃えるウランU-235」は自然界に0.7%しかない。そのため、 同位体濃縮という特別な作業が必要 だが、その作業のためには莫大なエネルギーが 必要 (広島型原爆)
–「燃えないウランU-238」に中性子う捕獲させるとほどなく核分裂性のプルトニウムPu-239になる。原子炉を運転すると自動的に原爆材料プルトニウムが手にる。(長崎型原爆)そのためには「再処理」が必要。
–日本では原発の使用済み燃料はすべて「再処理」してプルトニウムを取り出すと決められている。 六ヶ所村に計画されている再処理工場がもし運転を始めれば、1年間に800トンの使用済み燃料を処理し、それを40年続け、総計3万2000トンの使用済燃料に含まれるトリチウムをすべて環境に棄てる計画で、それを安全だと国が認可した。
※もし、福島のトリチウムを海に流してはいけないということになれば、再処理工場の運転もできなくなり、日本の核(=原子力)政策は根本で崩壊する。そのため、漁民がどんなに反対しようが、世界の国がどんなに抗議しようが、日本というこの国は放射能汚染水を海に流す以外の方策をとらない。

7)為すべきこと
–戦争をすれば軍需産業が儲ける。戦争とは、人と人がお互いに憎みあって殺しあう こと。 戦争だけはしてはいけない。
–何よりも大切なことは戦争そのものを無くすこと。自民党政権の政策とは正反対に、軍隊(自衛隊)を廃止し、軍事同盟(日米安保)を廃止し、武器を作る企業を禁止することである。その上で、戦争の当事国のどちらかを応援するのではなく、戦争を終わらせるための仲介に全力を尽くすことこそ、平和憲法を生かすために必要なことである。

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