東京新聞 オスプレイ配備2年 騒音や部品落下に抗議 米軍横田基地前で近隣住民ら反対デモ

オスプレイ配備2年 騒音や部品落下に抗議 米軍横田基地前で近隣住民ら反対デモ

2020年10月2日 07時29分
オスプレイ配備に反対してデモをする地域住民ら=福生市で

オスプレイ配備に反対してデモをする地域住民ら=福生市で

 米軍横田基地(福生市など)に垂直離着陸輸送機オスプレイが正式配備されて二年となった一日、近隣住民らが基地のゲート前で配備反対を訴えるデモを行い、騒音や部品の落下などの事故に抗議した。
 「横田基地の撤去を求める西多摩の会」「第九次横田基地公害訴訟原告団」など市民団体のメンバーや住民ら約二十五人が参加。「オスプレイNO」などと書かれたプラカードを掲げ「静かな空を返せ」と声を上げた。
 横田基地近くの立川市西砂町に住む自営業、中里博文(ひろぶみ)さん(66)は「住宅の真上をオスプレイや輸送機が低空で旋回訓練をしている。大げさでなく、恐怖を感じる」と話す。「仕事をしていてもオスプレイの独特の音が体に響き、手が止まってしまう。日本政府には住民側に立って情報を公開させてほしい」と求めた。
 「西多摩の会」の高橋美枝子代表(78)は「事故が起きてもすぐに戦場のような訓練を繰り返している。住民の安全を考えない姿勢は許せない」と語った。
 横田基地では、今年六月にオスプレイの部品を紛失する事故が起き、七月は米兵が切り離したパラシュートやフィン(足ヒレ)が基地外へ落下している。
 オスプレイは、開発段階から実戦配備後まで墜落事故などのトラブルを繰り返し、安全性に懸念が指摘されている。住民の理解が十分に得られないまま、二〇一八年十月に横田基地に配備された。(竹谷直子)

10月4日 「宮古島からのSOS」上映会と学習会を開催 

10月4日 千葉市内のDC会館で、「百万人署名運動ちば」の主催で、「宮古島からのSOS」映画上映後、「南西諸島軍事基地とオスプレイ」をテーマに学習会を行いました。

「軍事化が進む南西諸島」より抜粋

前田 哲男(ジャーナリスト)

その南西諸島に、ふたたび軍靴の音がきこえる。防衛省により「南西地域の防衛力強化」として推進される、島々をつなぐ〈洋上防壁〉設置構想がそれだ。

2020年4月5日、南西諸島南部に位置する沖縄県宮古島でミサイル部隊の編制完結式がおこなわれた。6日付『琉球新報』の記事をみてみよう。

「陸上自衛隊第15旅団は5日、宮古島市上野野原で宮古島駐屯地の編制完結行事を開いた。新型コロナウイルスが全国で感染拡大する現状を受け、市や宮古島医師会が式典延期を要請する中で強行した。駐屯地正門前では市民が配備中止などを求め、抗議した。市民は『宮古島に戦争の危機を引き寄せる軍事要塞化に断固反対する』などとした抗議文書を隊員に手渡した」。

新型コロナの猛威も、自衛隊の基地新設計画にはなんら影響をもたらさなかったらしい。

新部隊について、自衛隊準機関紙『朝雲』(4月2日付)は、以下のようにつたえている。

「南西諸島の防衛強化のため昨年3月に新設された沖縄・宮古島駐屯地には、26日付で中距離地対空ミサイル(中SAM)部隊の7高射特科群の本部と346高射中隊などの隊員約180人が長崎県の竹松駐屯地から移駐した。また、地対艦ミサイル(SSM)を装備する5地対艦ミサイル連隊(健軍)の隷下部隊として302地対艦ミサイル中隊(約60人)が新編され、宮古島駐屯地に配置された」。

だが、宮古島基地は、南西諸島防衛構想のごく一部にすぎない。

「南西諸島防衛構想」のねらいとは

南西諸島の西側には、東シナ海と南シナ海をへだてて、中国の港湾都市(同時に海軍拠点でもある)上海、青島、大連、寧波などが所在する。中国の海運と海軍(および航空機)は、南西諸島の公海水道を抜けずに太平洋に出ることはできない。それを〈ミサイルのバリケード〉によって管制しようとするのが「南西諸島防衛構想」のねらいなのである。

南西諸島防衛構想

【図解・社会】陸自の南西諸島防衛のイメージ図(2019年3月)

陸自の南西諸島防衛のイメージ図