対中国を想定した戦争の準備が進められている。

米軍と合同演習に初飛来した陸自輸送機オスプレイ=16日午前、伊仙町

陸自の輸送機オスプレイ(Ⅴ‐22)は同日午前10時ごろ、同島南部・内陸部の伊仙町内の公園に回転翼機などとともに隊員輸送のための離発着訓練を展開。午後4時すぎには米軍のオスプレイも加わった。17日以降に双方の共同演習が本格化するものとみられる。

予備自衛官、訓練期間を20日に短縮検討 政府、志願者増狙う

毎日新聞

首相官邸=本社ヘリから

全長248メートル、まさに「空母」 日米共同演習中、洋上の護衛艦「いずも」に乗り込む

2022/11/15 08:19
海上自衛隊の護衛艦「いずも」に着艦した陸上自衛隊の大型輸送ヘリコプター「CH47チヌーク」=14日午前9時半ごろ、太平洋沖

海上自衛隊の護衛艦「いずも」に着艦した陸上自衛隊の大型輸送ヘリコプター「CH47チヌーク」=14日午前9時半ごろ、太平洋沖

真っ青な大海原に灰色の巨船が眼下に現れた-。14日、日米共同統合演習に伴う記者会見の取材で、海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」に自衛隊機で着艦した。甲板は真っ平らで細長い。洋上に空港の滑走路がそのまま備え付けられたかのよう。まさに「空母」だ。

午前6時20分、鹿児島県鹿屋市の海自鹿屋航空基地。「バラバラ」とつんざくようなプロペラ音が響く中、陸上自衛隊の大型輸送ヘリコプターに乗り込んだ。

「現在地は作戦上教えられない」。約1時間半後、到着した艦内の一室で説明を受けた。四方見渡しても水平線が続くだけだ。案内役の自衛官によると、ヘリコプター9機を運用する同艦は全長248メートル、幅38メートル、高さ49メートル。艦内は14階あるという。ここは一体どこなのか、一抹の不安を抱えながら説明を聞き続けた。

到着から1時間20分後、記者会見に臨む防衛省制服組、在日米軍の両トップを乗せた輸送機を撮影するため甲板に戻った。体が浮きそうな強風の中、誘導する自衛隊員の厳しい表情から緊張感が伝わる。

間もなく到着した両トップはしきりに握手を交わし、笑顔で雑談した。日米同盟強化の象徴としてアピールしているように思えた。

艦内には「戦時治療所」と掲げた“有事”を意識させられる部屋も。海上保安庁の巡視船と一番何が違うのか問うと、担当者は「海保は海の警察。自衛隊は用途が違う。こちらは相手に致命傷を与える装備がある」と力強く答えた。

鹿屋基地には米空軍の偵察型無人機「MQ9」が近く配備される。基地内の格納庫では鈍い銀色の機体が着々と組み上がっている。日米同盟の最前線を肌で感じた後だったからか、帰り着いて目にした鹿屋基地は、いつもより生々しく感じた。

日米両軍共同統合演習「キーン・ソード23」は、10日から沖縄県で本格的な軍事演習へ。

日米両軍共同統合演習「キーン・ソード23」は、10日から沖縄県で本格的な軍事演習へ。19日まで日米両軍が自衛隊施設や米軍基地、訓練区域などで、実弾射撃演習や補給などの後方支援を含む共同訓練を展開。 玉城デニーは、軍事基地以外の空港・港湾施設使用を許可

日米両軍統合共同演習と併せ、急速に進行する琉球弧・南西諸島での日米軍事同盟強化。 日米安保・日本軍自衛隊の存在を重要視する玉城デニー沖縄県政は、配備拡大・機能強化に反対できない

在沖米軍那覇軍港に陸揚げされ、駐機していた米海兵隊MV22オスプレイ3機が9日離陸し、在沖米軍普天間に着陸。沖縄県は「日本復帰」時の日米合意(5・15メモ)目的外使用と主張したが米軍は強行。 それでも沖縄県は県内(浦添)移設を認める?

 

中国への戦争を狙い、台湾・沖縄・日本全土を戦場にする軍事予算の2倍化=12兆円に反対!

核戦争を止めよう!

ウクライナ戦争が核戦争として激化しています。10月にはNATO、ロシア双方が核軍事演習を実施しました。アメリカのバイデン政権は、ロシアの弱体化を狙い、大量の武器を送り続け(軍事支援総額は2兆6千億円超!)、ウクライナ戦争を激化・長期化させています。岸田政権も、日米安保の戦争同盟への強化と改憲・大軍拡に突きすすんでいます。

「専守防衛」をかなぐり捨て
「敵基地攻撃能力保有」

 岸田政権は「防衛費2倍化」を掲げ、12月には国家安全保障戦略など安保3文書を改定し、「専守防衛」の建前は完全に取っ払い、「敵基地攻撃能力保有」を明記しようとしています。すでに中国本土に届く長射程ミサイル1000発配備、米軍の巡航ミサイル「トマホーク」の購入などの計画を進めています。
南西諸島にはミサイル部隊を配備して軍事拠点化するとともに、対中国の作戦計画に基づく米軍・自衛隊による実戦訓練も繰り返しています。木更津に配備されている自衛隊オスプレイも出動しています。

戦時下の大インフレ-物価高、貧困拡大の中、医療・福祉は破壊しながら、一握りの支配者の利益のために戦争予算は拡大する。ふざけるな! 戦争反対、大軍拡反対の怒りの声で国会を包囲しよう。

【自衛隊・米軍が南西諸島で大規模軍事演習(11月)】

 南西諸島を中心に11月10~19日、自衛隊2万6千人、米軍1万人を動員した大規模な日米共同統合演習『キーン・ソード23』が実施される。米海兵隊の対中国作戦「遠征前進基地作戦(EABO)」に基づいて、陸自の地対艦ミサイルと米軍のロケット砲「ハイマース」の展開訓練、日米オスプレイの共同訓練、実弾射撃訓練を実施。さらに民間の中城湾港を使用した部隊・装備の輸送、与那国町では陸自の最新鋭の戦闘車両MCVが公道を走行する。南西諸島を丸ごと軍事拠点にしながら中国への戦争を狙う恐るべき実戦訓練だ。
日米合同統合演習「キーンソード23」。南西諸島を中心に、民間港湾、民間空港、一般公道を使用する訓練。
銃火器搭載の戦闘車が「ぶっつけ本番でなく想定地での実走経験が必要」との事。即ち、沖縄が戦場になる事を想定した訓練。こんな訓練を絶対に許してはなりません。

<社説>キーン・ソード23 有事想定は認められない

自衛隊と米軍による日米共同統合演習「キーン・ソード23」が10日から本格的に始まる。特に沖縄を含む南西諸島では島しょ作戦を織り込んだ大規模訓練が計画される。

77年前の沖縄戦で4人に1人が犠牲になった。「軍隊は住民を守らない」というのが沖縄戦の教訓だ。沖縄での有事を想定した訓練は認められない。強く抗議する。
防衛省によると、キーン・ソードは、ほぼ2年に1度、国内各地の自衛隊や在日米軍施設で実施する日米最大規模の実動演習である。今回は自衛隊約2万6千人、米軍約1万人を動員し、英軍の艦艇やオーストラリア軍、カナダ軍の艦艇、航空機も加わる。中国を意識し、南西諸島を中心に運用能力の向上を図る。
演習全体としては、グレーゾーンから武力攻撃事態に発展するまでを想定し、弾道ミサイル発射への対処や宇宙、サイバー、電磁波領域での作戦も訓練する。米軍からは宇宙軍も参加する。
今回の訓練は実戦に即した最新鋭の16式機動戦闘車(MCV)を与那国町の公道で使用する計画だ。台湾に近い与那国島で日米が軍事演習を活発化させれば、米中対立の火種となる台湾情勢を刺激することになるだろう
防衛省関係者は「有事になった時に通ったことがない道を通る『ぶっつけ本番』では戦いにならない。飛行場から駐屯地まで実際に自走することに意味がある」と語り、与那国での訓練の目的を説明している。与那国での戦闘を想定しているかのような訓練は認められない。
県内にある自衛隊、米軍の各施設に加え、8日にはチャーターした民間船舶(PFI船)で、民間の中城湾港に車両などの装備品と隊員らを運び込んだ。県内に運ばれた車両は、国道58号など一般道を使い、陸自那覇駐屯地などへ移動する様子が確認された。
1945年1月、大本営は沖縄を日本防衛のための「前縁」と位置付け「極力敵ノ出血消耗ヲ図」る方針を決定した。沖縄戦は「本土決戦」に備えるための時間稼ぎだった。沖縄戦の教訓から県民は「人間の安全保障」を要求してきた。だが、日本は米軍との軍事一体化を強化し、尖閣や台湾有事を想定して自衛隊を南西諸島に重点配備している。台湾有事を想定して南西諸島に米軍の軍事拠点を設ける日米の新たな共同作戦計画が策定中だという。
自国が攻撃されなくても戦争に参加する集団的自衛権を、安全保障関連法に基づき行使し自衛隊が後方支援などを行えば、必然的に自衛隊基地も攻撃対象となる。
 敵基地攻撃能力の保有を検討し防衛費大幅増額など、戦争に向けての地ならしが進んでいる。キーン・ソードは日米軍事一体化の訓練といえる。過去の大本営方針のように、沖縄が最前線(前縁)となり再び戦争に巻き込まれることは断じて認められない。

敵基地攻撃能力 いよいよ岸田政権、国防3文書改定へ【半田滋の眼 NO.67】20221027

防衛ジャーナリスト半田滋の深層解説。今や与党と話し合う野党まで勇ましい軍備増強に疑問も呈さず、国民の生活を犠牲にしても防衛費の増額はやむなしと考えているように見えます。

敵基地攻撃能力の保有を正面から認めることを避けて安全保障政策を定めてきた自民党の先人たちのおそれも工夫も蹴飛ばして、粗雑でバランスを欠いた議論が横行しているのではないでしょうか。

ここは、歴史的に専守防衛と敵基地攻撃能力の保持がどのように考えられてきたのかを復習し、今そのような能力を持つことで日本の安全が守られると言えるのか、を理解したいと思います。

2022年10月25日 収録