チーム緑ヶ丘 部品落下から4年「何も変わらない」/「お母さん、ドーンだよ」1歳の娘が覚えた恐怖

琉球朝日放送  2021年12月7日

宜野湾市にある緑ヶ丘保育園にアメリカ軍ヘリから部品が落下した事故から7日で4年です。保護者らが外務省を訪れ「事故から何も変っていない」と現状を訴えました。

チーム緑ヶ丘の与那城千恵美さんは「状況はますます酷くなっている一方です。国としてどういう対応しているのか教えていただきたいなと思います」と話しました。

外務省沖縄事務所を訪れたのは4年前宜野湾市の保育園の屋根でアメリカ軍機から落下したと思われる部品が見つかったことを機に保護者らが立ち上げたチーム緑ヶ丘のメンバーです。メンバーは先日も住宅地にアメリカ軍のオスプレイから水筒が落下したとを訴えました。

チーム緑ヶ丘宮城智子会長は「安心して遊べる環境にしたいなと思っています。一緒に考えてください」と訴えました。

外務省沖縄事務所の梶田副所長は「要請を政府に報告する」と答えました。保護者らは時折、目を潤ませながら改善を強く求めていました。

チーム緑ヶ丘 部品落下から4年「何も変わらない」

 琉球朝日放送 報道制作局  2021年12月7日

「お母さん、ドーンだよ」1歳の娘が覚えた恐怖…米軍機よ飛ばないで 緑ヶ丘保育園部品落下4年

【宜野湾】宜野湾市野嵩の緑ヶ丘保育園に米軍機の部品が落下した事故から7日で4年がたった。「保育園上空を飛ばないで」という保護者らの訴えは届かず、園の上空には米軍の戦闘機やヘリが飛び交い、騒音はひどくなるばかりだ。保護者の知念涼子さん(46)=市新城=は「訴えが届かないことや、解決しないまま月日がたつことがつらい」と目に涙をにじませる。

会社員の知念さんは事故のあった日の正午、職場で見たニュースで事故を知った。空撮映像には見慣れた建物があった。スマホを確認すると、園からメールがあった。「園に部品が落ちる事故がありましたが子どもたちは安全です」。知念さんは冷静だった。「無事と分かったので、私の中で事故は終わった気持ちだった」。米軍関係の事件事故への慣れか、感覚は鈍くなっていた。

次女の莉衣沙(りいさ)ちゃん(5)の言葉が知念さんを変えた。事故から数日後の夜、当時1歳の莉衣沙ちゃんに絵本を読み聞かせていたとき、米軍普天間飛行場から響くヘリの音に、莉衣沙ちゃんが「お母さん、ドーンだよ」と言葉を発した。「飛行機」という言葉を知っていた莉衣沙ちゃん。事故をきっかけに「飛行機」が「ドーン」という言葉に変換されていた。知念さんは涙が止まらなかった。「あのとき、命が脅かされていたんだ」

意識は変わり、現状を変えたいという思いが増した。「事故のある環境を残してはいけない。私たちができることをして子どもの環境を守りたい」。家と会社の行き来だった生活は一変し、要請や折衝の場で国と対峙(たいじ)することもあったが、保護者の仲間が支えとなった。

47都道府県から集まった署名にも勇気づけられた。約13万筆の半数は県外からで、岩国(山口県)や横須賀(神奈川県)など米軍基地を抱える地域から多く届いた。声を上げづらい現状をつづる手紙もあった。「涙なしでは読めなかった。同じ思いを抱いても、どうすることもできない人たちがいるんだ」

事故から4年が経過しても、米軍は部品落下を否定し原因究明にも至っていない。「訴えているのは基地撤去ではなく、『子どもたちの上空は飛ばないで』という、ただそれだけ。多くは望んでいないんです」。子どもたちが安全に外で遊べる、当たり前の環境を求めている。

「できることをやって、子どもたちの環境を守りたい」と語る、緑ヶ丘保育園保護者の知念涼子さん=4日、宜野湾市野嵩の緑ヶ丘保育園

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1435195.html

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